【2019年8月1日追記】
セブンペイが2019年9月末で終了することが発表されました。率直に言って他のスマホ決済より優れたメリットがあまり見当たらず、セキュリティ問題も起こし続けたなかでは致し方ない判断と思われます。
7payは使うべき?
セブンイレブンが独自のQRコード決済サービス「7pay(セブンペイ)」をスタートすると発表して注目を集めています。
普段からセブンでお買い物してる方にとっては、nanaco(ナナコ)との違いも含めてお得かどうか気になるところだと思います。
結論から言うと、セブンペイはナナコよりもお得になる仕組みとなっています。
ただ、同じQRコード決済サービスであるPayPay(ペイペイ)やLINE Pay(ラインペイ)、また従来の電子マネーであるsuicaなどを上回るほどのメリットがあるとまでは現段階では言い難く、積極的には選びづらいです。
しかし、今後セブンイレブンがセブンペイ利用者にお得なキャンペーンをどんどん打ち出してくる可能性は高く、普段から通っている方なら注目しておく価値はあると思われます。
以下にセブンペイの特徴と他の電子マネー、スマホ決済と比較して見えてくるメリット・デメリットについて解説していきます。
「7Pay(セブンペイ)」とは
※画像元:セブン&アイホールディングス
改めてセブンペイとは、セブンイレブンなどを運営するセブン&アイが提供するQRコード決済、スマホ決済サービスです。
QRコード決済はすでにPayPayやLINE Payなどがありますが、「どのスマホでも使える」「ユーザーどうしの送金が可能」「お店側も導入しやすい」などの理由で普及が進んでおり、セブンイレブンもこの流れに乗ったかたちです。
セブンペイを使うには、専用アプリをダウンロードする必要があります。
- アプリから最短2タップでかんたん登録
- 店頭レジ、クレジットカード、セブン銀行ATMからチャージ可能
- セブンペイ支払いでnanacoポイントが貯まる
このようにセブンペイは「かんたん」「便利」「おトク」をコンセプトにしており、使い勝手の良さは期待できそうです。
またセブンペイはクレジットチャージも可能なため、「セブンペイ支払いによるポイント獲得」と「クレジットチャージによるポイント獲得」というポイント2重取りもできるのではと期待されています。
どう違う?ナナコとセブンペイを比較
これまではセブンイレブンの電子マネーと言えばnanaco(ナナコ)でした。
店頭やクレジットカード等でチャージしたナナコで支払えば、100円の支払いあたり1nanacoポイント(1円相当)がたまり、これをチャージに当てて使える(つまりポイント還元率は1%)というわかりやすい仕組みでした。
ただしこのナナコのポイント還元率は、2019年7月に1%→0.5%に下げられます。
そのかわり、セブンペイで支払いをするとnanacoポイントが200円あたり1ポイント(還元率0.5%)とセブンマイルが200円あたり1マイル(還元率0.5%)がもらえます。
nanacoとセブンペイの主な比較、違いは以下の通りです。
nanaco | 7pay | |
チャージ方法 | 店頭、クレジットカード、セブンATM銀行 | nanacoと同じ |
もらえるポイントの種類&還元率 | nanacoポイント(0.5%) | nanacoポイント(0.5%)+セブンマイル(0.5%)=1.0% |
セブンマイルとは、セブンイレブンのみならず提携店舗のお買い物でもポイントが貯められるプログラムであり、様々な特典が受けられます。
nanacoポイントとの交換も可能となっています(1マイル→1nanacoポイント、交換は50マイル単位)。
セブンペイが始まる2019年7月以降は、ナナコ支払いよりもセブンペイがお得となります。
ただ率直な印象としてセブンマイルはポイントが2種類に分散するため、複雑でわかりにくくなったと感じざるを得ません。
他の電子マネー、スマホ決済と比較してどうなの?
では、セブンペイを他の電子マネーと比較した際の違いはどうなのでしょうか。
以下に、主なスマホ決済サービス(電子マネー、QRコード)との比較を示します。
優れている部分を色付けします。
ポイント還元率 | 使いやすさ | 送金機能 | |
7pay | 1.0% | アプリを開く | なし |
PayPay | 3% | アプリを開く | あり |
LINE Pay | 0.5~2.0% | アプリを開く | あり |
楽天ペイ | 0.5% | アプリを開く | あり |
suica | なし | タッチのみ | なし |
楽天Edy | 0.5~1.0% | タッチのみ | なし |
QUICPay、iD | なし | タッチのみ | なし |
スマホをかざすだけ、という手軽さで言えばsuicaや楽天Edyなどが優れていて、これらは使える店舗もトップクラスに多いです。
またPayPayやLINE Payはポイント還元率が高く、ユーザーどうしの送金が行えるというメリットがあります。
こうして比較するとセブンペイはまだ積極的に選ぶ理由には乏しいと評価せざるを得ません。
PayPayやLINE Payもセブンイレブンで決済可能になったにも関わらず、これらを上回るメリットが見いだしづらい、という点には思わず首をかしげたくなってしまいます。
ちなみに当サイトでは現在、各電子マネーやスマホ決済のおすすめランキングを以下の通りとしています。
→モバイルSuica
第2位:使えるお店の数が最強クラス
→PayPay
第3位:楽天ポイントが最も貯まる&使える
→楽天ペイ、楽天Edy
第4位:支払いが楽&使えるお店が多い
→QUICPay、iD
※ランキングの根拠について
まとめ:7payは今後のサービス拡充、キャンペーンに期待!
セブンペイはまだスタートしたばかりということもあって、他の電子マネーやスマホ決済と比較して大きなメリットがあるとまでは言い難いです。
ただ大いに期待したいのはセブンイレブンにおいて「7pay利用者限定キャンペーン」が行われる可能性です。
これまでもセブンイレブンは、ナナコ利用者に対してお得なサービスを日常的に数多く実施してきました。
きっとセブンペイ利用者にも多くの特典を打ち出してくると思われます。
普段からセブンイレブンをよく利用する方はこの点に注目して、おいしいチャンスを見逃さないようにすることをおすすめします。
セブンイレブンのいちファンとして、私も楽しみにしています!
2019年7月17日追記:セブンペイ不正問題について
セブンイレブンが大々的にアピールして2019年7月1日にスタートさせたセブンペイでしたが、不正利用問題で大コケしてしまいました。
セブン&アイ・ホールディングスのスマートフォン決済アプリ「7pay(セブンペイ)」の不正利用問題で、同社の安全対策の甘さに疑問の声が広がっている。
そもそも、トップが安全対策の基本ともいえる携帯電話やスマホのショートメッセージでパスワードを送り本人確認する「2段階認証」を十分に知らなかったとの疑惑も浮上。
不十分なセキュリティー対策に被害者だけでなく、キャッシュレス決済を推進する経済産業省も憤っている。
2019/07/17 産経新聞より
PayPayがスタートした当初もセキュリティ問題は出ましたが、今回は会見にて危機意識の低さが浮き彫りになった格好です。
セブンペイのみならず世間全体に「やっぱり現金じゃないと」と感じさせ、日本のキャッシュレス化全体の足を引っ張る結果となってしまいました。
正直なところキャンペーン以外にこれといった大きなメリットのないセブンペイは、例えセキュリティが万全になったとしても今後普及させるのはかなり難しいでしょう。
ポイント還元や対応店舗の拡充など、本気で普及を狙うなら流行りにのるだけではない本気度の高い戦略が求められると思います。
【2019年8月1日追記】
セブンペイが2019年9月末で終了することが発表されました。率直に言って他のスマホ決済より優れたメリットがあまり見当たらず、セキュリティ問題も起こし続けたなかでは致し方ない判断と思われます。