PayPayカード誕生?
現在、Tポイントが最も貯めやすく使いやすいクレジットカードとして人気のYahoo! JAPANカード(通称:ヤフーカード)が終了に向かうというニュースが出てきました。
そのかわり、ヤフーは新たに「PayPayカード」の準備を進めているとされています(すでに商標登録も出願済み)
ではなぜヤフーカードは終了となるのか、そして新たに登場する可能性の高いPayPayカードでは何がどう変わっていくのか。
現段階でわかっていることをまとめて、PayPayカードの今後の動向を考察します。
ヤフーカード終了の理由
まず改めてヤフーカードとは、ヤフーが発行しているクレジットカードです。
その一番のメリットは支払いに使うと100円あたり1ポイントのTポイントがもらえる点にあります(還元率1%)。
Tポイントは様々なお店で使える日本最大級の共通ポイントサービスであり、使いやすさに優れています。
また、ヤフーカードはTポイントカードとしての機能も持っているため、Tポイント加盟店で使えば「カード提示によるTポイント獲得+ヤフーカード支払いによるTポイント獲得」というTポイント2重取りも可能でした。
そんな便利さで評価の高かったヤフーカードがなぜ終了するのか。
その理由には、まず「ヤフー」というブランド名からの脱却があります。
もともと「ヤフー」というブランド名はアメリカ企業のヤフーからライセンスを受けて利用してきたものであり、今でもこの名称を使うだけで3%の利用料が必要になるとのこと。
よってこれを避けるため、2019年10月からヤフーは社名を「Zホールディングス」に変更するなどして「ヤフー」という名前からの脱却を図ろうとしています。
その流れで、クレジットカード事業からも「ヤフー」の名前を外すということのようです。
そしてもうひとつは「PayPay」ブランドの促進です。
PayPayはソフトバンクとヤフーが始めたQRコード決済サービスであり、「100億円キャンペーン」を実施するなどかなり力をいれて普及させようとしています。
そして今後は「ヤフー」に変わるブランド名として「PayPay」という名前を浸透させていくために「PayPayカード」「PayPay銀行」「PayPay証券」などが次々と商標登録されています。
ちょうど楽天がネットショッピング、旅行、銀行、証券など様々なサービスを展開して楽天ポイントで相互利用を促進して「楽天経済圏」をつくっているように、PayPay支払いやPayPayポイントによる「PayPay経済圏」を目指すものと思われます。
「ヤフー」から「PayPay」へブランド名を衣替えして定着させていく。
その流れでヤフーカードも終了を迎えるという流れのようです。
ヤフーカード→PayPayカードで何が変わる?Tポイントは?
では、ヤフーカードがPayPayカードになることで具体的にどんな変化が起こるのでしょうか?
まずほぼ確実と思われるのが「Tポイントからの離脱」です。
近年、Tポイントは「顧客データを得るために利用料が取られる」との理由で企業から少しずつ敬遠されがちになっており、例えばファミマも独自の「ファミペイ」を始めるなどして距離を置き始めています。
ヤフーもPayPay決済を中心にすることで顧客データが得られることから、これを機にTポイントから離脱する可能性が高いです。
つまりPayPayカードは「100円の支払いあたり1PayPayポイントを付与する」などの仕組みになりそうです。
そして、PayPay支払いにメリットを与えることも行われる可能性が高いです。
今でもPayPayはヤフーカードと組み合わせることにより、驚異のポイント還元率4%が得られる仕組みとなっており、こうしたお得さはPayPayでも引き継がれてくるでしょう。
※PayPayのチャージ方法と「お得さ」の関係
チャージ方法 | ポイント還元率 | PayPayチャンス |
Yahoo! JAPANカード | 3%+Tポイント1%=4% | 20回に1回の確率で当選 |
銀行口座 | 3% | 20回に1回の確率で当選 |
Yahoo!マネー | 3% | 20回に1回の確率で当選 |
その他のクレジットカード | 0.5%+利用クレカのポイント | 対象外 |
※「PayPayチャンス」とは、当選すると支払全額がポイントでキャッシュバックされるサービス(1回あたりの上限は1000ポイント)
また、すでに展開されているヤフーショッピングやロハコ、今後登場が予想されるPayPay銀行など新たなサービスの利用においても、よりお得な特典やキャンペーンなどを打ち出してくるものと思われます。
つまり「Tポイント経済圏」から、自分たちグループ独自の「PayPay経済圏」への移行ですね。
おそらくヤフーショッピングやワイモバイルなど、いずれヤフーのサービスすべてからTポイントは関わりがなくなり、PayPayポイントに置き換わっていくと思われます(すでに少しずつ動きはあります)。
そして今後日本では、様々なサービス利用において「楽天派」「PayPay派」に二分されていくのかもしれません。
いずれにせよ、ヤフー&ソフトバンクが大きな資本力を使って展開してくるPayPayカードはお得度の高いクレジットカードになっていくことでしょう。
まとめ
「ヤフー」ブランドから「PayPay」ブランドへの変化の流れで登場が予想されるPayPayカード。
おそらくTポイントからも離脱して、PayPay支払い、PayPayポイントを軸にした新たなサービス、試みが続々と出てくることでしょう。
スマホ決済PayPayのスタート時に行った「100億円キャンペーン」など、ユーザーをワクワクさせてくれるような展開に期待します!